A・I、N・T、M・T、SHIBUYAへ

「ところでさ。この近くにホームセンターってあったっけ?」
 M・TがスマホでポケモンGOをやりながら聞いてきた。S・Kと別れてから今まで誰も全く口を利いていなかったが、それでも三人揃うと昔のように何かしら話したくなるものだ。
「あんまり聞かないな。ロフトなら渋谷にあったような気がするけど」
 三人とも都内に住んでいながら渋谷にはあまり詳しくなかった。
「あとは?」
私はふと思い出した。脳裏に浮かんだのはS・Kの決めポーズだ。
「あったよ。いい所が」
三人は五反田まで向かうはずだったが、急遽渋谷で途中下車した。
「コレだ。コレ」
 私は宇田川町のとあるビルの前でS・Kの真似をしながらフレミング左手の法則よろしく、片手を目の前に掲げた。
「まさかそれ、S・Kか?」
「そうそう」
「違う違う。アイツは小指も立ててた。こうやって、もっと、こんな感じで。いや、こうか」
 ファッション雑誌の表紙撮影のようにベンチで行儀悪く投げ出すように足を組んで腰掛けているS・Kを思い浮かべながらN・Tは指でキツネのようなシルエットを作った。http://angelcute-deli.net/